もう一人の60代サイラーは、ねじりタオルがトレードマークの伊藤 輝文さん(63)。自身2度目の彩の国100mileを走りながら、弟子たちに発破をかけていたとのこと。老練である。
残念ながら最高齢サイラーの称号はお預けとなったので、また参戦していただけるとの事。お待ちしております!

Q. 60代サイラー達成おめでとうございます。2度目のサイラーですが前回(2018)と比べていかがですか?

前回は初mileチャレンジでした。何も知らずにエントリーして、涼しく最高のコンディションに、今日完走しておかないと2度目はないと思い、走り切りました。
でも、こんな厳しく意地悪なコースはもう2度と出ないと思った事、よく覚えています…笑

今回は60代になり、最高齢サイラーの名前を刻みたいと思い、昨年から今年にかけて5日間6周試走を重ねて準備しました。
試走の度に完走のイメージがなくなって帰って来ましたが。本番では効果があったと思っています。

Q. 改めて、走歴から教えてください。

ランニングを始めたのは49歳(走歴14年)
トレイルラン51歳(トレラン歴12年)

Q. 普段のトレーニングについて、ここ半年の月間走行距離はどの程度でしょうか? トレイル率は?

月間走行距離 早朝に550〜600km
トレイル率40%くらい(週末中心に40〜50km)

Q. この大会を走るきっかけ?

彩の国がこんなにハードな大会とは全く知らず初mileチャレンジを探していてたまたま。後友人が出ると言うので。

Q. どのようなレースプランでしたか?

north 10:15 out10:30
South1 11:15 out11:30
South2 13:00
トータル35時間

Q. 前の夜、朝食は何を食べましたか?

鶴ヶ島泊
夕食 ミックスフライ定食大盛りプラス餃子
朝食 アルファー米ワカメご飯、インスタント味噌汁

Q. ノース、雨天で気温は低めでした。何か対策されましたか?

northコースひどい雨降りでしたが、慌てないで怪我しないようコースを選んで走る。
堂平エイドで最高の降り方になってレインを取り出したが、直後に落ち着く予感がしたので使用しませんでした。

Q. サウス1どうでしたか?

夜間に備えてノースリーブシャツを半袖シャツに、シューズ、ソックスも変えたかったが、テーピングテープを車に置いたことに気付き、仕方なく履き替えなし。

Q. サウス2どうでしたか?

日中の暑さに備え、ノースリーブシャツに着替え、シューズ、ソックスは我慢するが、足裏の肉刺しがヤバくなっているのを感じる。
シューズの紐をきつくして靴の中で足がなるべく動かない様な走りに徹する。なるべく気温が上がる前に距離を稼ぎたいと思う。

Q. 夜間に濃霧区間もあったと聞いています。どのように対応されましたか?

濃霧に備えレッドのレンズカバーを持参したが、色が濃いのか暗くなりすぎて役に立たず(今度はイエローにしよう)ライトの光を足元に向けて走る。過去に何度も山で経験しています。
ヘッドライトを手で持って ハンドライトとして低い位置で照らすのも霧対策として有効です。

Q. ニューサンピアでの補給はどのような事をされましたか?

特に無し。エイド食。次に備えて補給食の追加

Q. うまくいったこと、うまくいかなかったことなどありますか?

ペース配分
シューズ履き替えが出来なかった事

Q. 一番辛かった事は?

両足のアキレス腱に故障があり、各エリアに2ヶ所ある激登り区間、激痛に横を向いて登りました。

Q. 一番楽しかった事は?

サイラーゼッケンのおかげか、大勢のランナーやボランティアの方々から声かけしていただきパワーもらえた事!

Q. 補給について教えてください。

エイド食、メダリストジェル各区間2ケ、柿の種、パワーバー、飴玉

Q. ロングレースは後半食べれなくなる人が多いのですが、伊藤さんはどうですか?

基本食べれなくなる事はありません。6時間おきに胃薬を飲みます。

Q. 眠気ありましたか?対策されましたか?

South1の夜間眠い時間帯がありましたが、ペース落として怪我しない様に注意してこらえました。

Q. メンタルについて、どのようにキープされていますか?

メンタルは走るのが好きだからあまり無いです。
むしろ 今日目標達成しないと、来年は分からないと言う気持ちで。過去にも自分からリタイアした事は有りません!

Q. 今回の装備一式教えてください

必携品の他に northのみハイドレーションに水700ml Southからやめた。
ザックノースフェイス
シューズ HOKA

Q. また参加したいですか?

又参加します^ ^

Q. 次のレース、今後の活動について

エントリー済は信越五岳100mile
6〜9月は北アルプスをメインにプライベートで山を楽しみます。

Q. 年齢が上がるにつれて視力が落ちます。特に夜間は難しくなるかと思うのですが、どのように対策されていますか?

そこが悩みの種です。特に得意な下り坂でペースが上げられなくなって来ました。どうすればいいのでしょう^^;

Q. 疲労抜き、日頃の体(足)のメンテナンスは、何かされていますか?

それが特に変わった事はしていないのですが、柔軟体操、筋トレ、足はヒラメ筋中心に自己マッサージなどをなるべく毎日。
週2回ぐらい温泉入浴。朝走った後、ソイプロテインを低脂肪牛乳で溶いて、豆乳、納豆などタンパク質を意識して。
夜、野菜中心の食事に豆乳、就寝前にグルタミン。
抗ストレス、疲労フォーミュラサポートお願いしてください🙇

Q. 聞くところによると色々な方から師匠と崇められているようです。後進へのアドバイスで心がけていることはありますか?

皆さん師匠と言って煽ててくださるのですが、一緒に強くなれればと思っています。
色々ロングトレイルランを企画しますが、本気でトレーニングしている姿が見えない人は(強いとか弱いじゃなくて)誘いません。
県外の方も一緒に走りたいと長野まで来てくださるので、夏は北アルプスなど案内します。

追伸
女子1位の澤田さんは いつも一緒にトレーニングしているのですが、今回South2序盤までの様子で余裕で1位になりそうな雰囲気でしたので、彩の国簡単に勝ってはいけないと思い、直ぐ後ろから内山さん来てるよと、2位の内山さんには5分前にいるから追え、1位と2位じゃ違うよと焚き付けて終盤のバトルを演出しました…笑
澤田さんはあの終盤あんなに走れる自分にビックリしたと言っていました。いい意味で進歩して行けばいいと思います。

Q. 来年の参加者に一言アドバイスを

それぞれの考え方があると思いますが、本気でサイラーになりたいのでしたら、本気でトレーニングする事、たとえ遊び(趣味)であっても本気ってかっこいいと思います。

Q. 最後に自由に感想をお聞かせください

ハードルが高い彩の国、トレイルランナーが憧れ目指すが簡単には手に入れられないサイラーの称号。
ランナーは本気で挑み、ボランティアサポーターが最後まで本気で後押ししてくれる素晴らしい大会です。
これからも日本一格式の高い(ランナーレベル)彩の国であることを祈念いたします。ありがとうございました。

伊藤さんの記録

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