チーム「ブロリー練」 photo by 奥村 友昭さん

前年優勝チームが快走

100マイル駅伝には過去最高の15チームが参加し、大いに盛り上がりを見せました。その中でも前年優勝の「ブロリー練」が今回も終始トップをキープし、連覇を達成しました。

チームは前回の記録である24時間30秒を大きく更新し、サブ22時間に迫る好走を見せました。そのスピードには大会エイド準備も焦るほど💦

「ブロリー練」のチームメンバー3名の方にお話を伺いました。

ブロリー練/記録:22時間10分30秒

一走(ノース):長尾 暁人さん/6:18:50
二走(サウス1):小林 大輝さん/7:12:05(13:30:55)
三走(サウス2):萩原 久也さん/8:39:35(22:10:30)

Q.連覇おめでとうございます。圧倒的に速かったのですが、記録には満足されていますか?

(長尾)昨年が24時間00分30秒と「Sub24」まであと30秒だったので、少なくともそれは達成したいと考えていました。結果コンディションもよく、個人でもチームでも昨年の記録を大きく更新できたので満足しています。

(小林)目標が23時間切りだったので、達成できたことには満足しています。個人的には、South1を7時間切りで戻って来たかったので課題が残りました。

(萩原)トータルとしては満足しています。

表彰式 photo by 堤 智美さん

Q.チーム結成とチーム名の由来について

(萩原)主に平日のポイント練習仲間での繋がりです。

(長尾)トラックでの練習でスパートを掛けてくる際の萩原さんがまるで某少年漫画の劇場版に登場する「ブロリー」のようだったことから、毎週木曜日のトラック練習をブロリー練と名付けたのが由来です。そのままチーム名とさせていただきました。

Q.メンバーの走歴を教えてください

(長尾)高校時代まで陸上部で短距離(200,400)マイルリレー(4x400mリレー)でインターハイ出場を目標に仲間と走っていました。大学時代に走った東京マラソンをきっかけに、それからマラソンを年1本以上走り続けています。トレラン歴は7−8年ですが、まさかこの年になってもまだ「マイルマイル」いっているとは思いませんでした。

(小林)高校時代までは陸上競技部でした。一度ランニングからは離れて2016年くらいから再開して現在まで7年ほどは継続して走っています。

(萩原)高校3年間は陸上部、その後10年明けて本格的に練習をするようになりました。(15年目)

Q.この大会を走るきっかけは

(小林)知人が彩の国100mile駅伝に出場していて存在を知りました。距離、時間、コースなどゲーム性があって個人的にとても魅力的な企画だなと感じていました。

普段一緒に練習させてもらってる強い2人となら絶対に優勝できるだろうし、個人の100mileからは想像もできないようなタイムが出せるのではないかとワクワクして半ば強引にエントリーしたのが昨年です。

(長尾、萩原)第二走者の小林君に誘われてエントリーしました。

Q.走順はどのように決めましたか

(長尾)前回は各々の都合のつく日程、時間帯で決めました。今回は昨年からの各々の進捗確認含め、同じ区間編成で再トライしました。

Q.今大会に向けてのトレーニング、準備を何かしましたか? 試走しましたか?

(小林)坂練、峠走、スピード練習など普段通りのトレーニングを続けていました。

今年は試走は行けませんでしたが、1週間ほど前にSouth1に近いようなトレイルで動きの最終確認だけしました。

(萩原)特にはしていませんが、レースの山域は他のレースや練習でも走るエリアの一つなのでコース自体への抵抗感はありませんでした。

Q.どのようなレースプランでしたか?

(小林)今年は昨年から出場チーム数が増えて、特に1区は混戦になる気がしていたので、2走の私でトップになり差を広げて、3走の萩原さんにまとめてもらうイメージでした。実際は、1区の長尾さんが単独トップで戻って来てくれたので想定よりも余裕を持って走ることができました。

(長尾)昨年は小林さんが足を故障気味だったため、なんとか少しでも貯金を作りたいと思い走りました。今回は2区に万全のエースが待っている安心感があり、落ち着いて入ることができました。

Q.当日の調子はどうでしたか?

(長尾)少し眠いくらいで、調子は悪くなかったです。

Q.ノースはどうでしたか?

(長尾)昨年より区間タイムで30分以上短縮できたので満足しています。

序盤レースを牽引してくれた水曜高尾練の沖本さんのおかげで、全体的にペースが早かったように思います。

最終エイドで沖本さんを捉えることができたので、最後まで気持ちを切らさずしっかりと走ることができました。

昨年よりは少し暑く感じましたが概ね走りやすい気候で、路面コンディションも良く気持ちよく走らせていただきました。

一走 長尾さんがトップでサンピアに photo by 奥村 友昭さん

2走小林さんへタスキを繋ぐ photo by 奥村 友昭さん

Q.サウス1はどうでしたか?

(小林)目標は7時間切りだったのですが12分未達で悔しく思います。

前半はとにかく抑えて後半に脚を残して最後まで走り切るプランでしたが、中盤に一度出力が落ちてしまったタイミングがあったのでそこが反省点です。

Q.サウス2はどうでしたか?

(萩原)全力で走ったものの、個人的なタイムは伸びず悔いが残ります。

3走 萩原さん photo by 奥村 友昭さん

Q.駅伝は待機時間が長く、3区はスタートが夜になります。どのように過ごしましたか?

(小林)100mile、100kmの部の選手の様子が見れるのであっという間です。昨年も今年も体育会で横になりましたが、興奮とあの場の雰囲気であまり寝れませんでした。

(萩原)ひたすら寝て食べて過ごしていました

準備中の小林さん photo by 奥村 友昭さん

Q.個人で走る場合と駅伝はどんなところが違いますか?

(長尾)やはり「襷を繋ぐ」のが目的なので、走っている際の意識が根底から違う気はします。

区間によって戦略があり、1区はいつも以上に「序盤から突っ込んで潰れられない」という気持ちが強かったです。

終盤で首位に立ってからは、その位置を維持するよりも後ろとの差を広げて「貯金を作る」という戦略に切り替えました。

タスキを繋ぐ photo by 奥村 友昭さん

(小林)個人であのコースを3周するのは想像もできません。

駅伝の場合でもそれなりに長い時間走ることになる上にコースもタフです。特に夜の時間帯など辛くなった時は、チームの2人が頑張ってくれているのに出し惜しみはできない、自分のところで差を広げたいという思いから頑張ることができたと思います。

Q.トップはメンタルを強く持つ必要があります。どのようにキープされていますか?

(小林)ニューサンピアに戻ってきた時に迎えてくれた人達を驚かせるような、速報を見ている人達がワクワクするような走りがしたいなと思っていました。

Q.補給について教えてください。エイドは楽しめましたか?

(長尾)補給はスパウトパウチに入れた蜂蜜200gと、challengerのジェル2本を使用(合計1000kcal程)およそ30−40分に一口くらいの感覚で摂取していました。電解質補給は梅干し純を適宜使用。

補水は涼しかったため、エイドごとに500ml強の追加を繰り返して間に合いました。(合計3L程)

今回は前を追いかける展開だったため、エイドの食べ物には手を付けられませんでしたが、走り終えてからニューサンピアでたっぷりいただきました。

(小林)ジェル、セブンのわらび餅、カロリーメイトなど携帯して大体40分おきくらいに補給していました。エイドではコーラ、カルピスソーダ、バナナ、豚汁、肉うどんなど頂き追われる立場ながら楽しむ事ができました。前半暑過ぎてkinocaエイドのシチューが食べれなかったことが心残りです。

(萩原)色々とバリエーションがあり楽しめました。

他の大会と比べても、選手としてはエイドが楽しみな大会の一つです。

Q.うまくいかなかったことありましたか?

(萩原)夜間走で思うようペースがあげられなかったことです。昼間走ったらどうなるか?は、わかりませんが。

Q.楽しかった事

(長尾)走り終えた後になりますが、サンピアで駅伝を走られた皆さんと風呂でゆっくり話ができたのは嬉しかったですし、その後も100mile、100kmの選手等を応援しながら飲むビールは最高でした(1区の特権かもしれません)

デポエイド発着の周回コースはドラマも凝縮しているので、サンピアにいるだけでレースの流れがよくわかり本当に楽しませていただきました。

Q.前回優勝されて何か反響ありましたか

(小林)この駅伝を知ってもらって同じように面白がってくれた方は何名か居ました。今年は出場チームが大幅に増えましたが、来年以降も更にチーム数が増えて盛り上がると良いなと思い、勝手ながらSNSで執拗に投稿しました。

Q.また参加したいですか?

(小林)今のところ、チームでの目標が達成されたことに満足しているので来年のことは考えられませんが、また今年のタイムが破られるようなことがあれば考えます。

(萩原)来年は未定ですが、記録が破られたら出るかもしれません。

Q.今後の目標

(長尾)今回のメンバー含むチームとしては、この夏の富士登山駅伝への出走が決まっていますので、入賞目指して日々の練習を積み上げていきたいと思います。

※ブロリー練は毎週木曜夜に神奈川県大和市の陸上競技場で走っていますので、興味ある方は連絡ください。

Q.来年の参加者へのアドバイス

(小林)1区の長尾さんのIBUKIをチーム内で共有し、襷と一緒にリレーさせていたので準備の目安になりとても良かったです。

Q.最後に自由に感想をお聞かせください

(長尾)コースは厳しくとも温かい雰囲気で、太田さんはじめ運営ご関係者、ボランティアの皆さんに本当に感謝しています。素晴らしい大会をありがとうございました。

駅伝部門はまだまだ盛り上がる余地があると思っています。

いきなりこのエリアを100k以上走るのはハードルが高いという方でも実際にコースを走るチャンスですし、サイラー、100kに挑む選手の熱量を生でぜひ感じてほしいなと思います。

ブロリー練の記録

※計測器の不調で一部未計測です、ごめんなさい

長尾さんが大会中に撮影された動画です。大会ハイライトも見れます!

前編

後編