2019年5月11日(土)~12日(日)に開催した「第4回トレニックワールド 100mile & 100km in 彩の国」
最高気温30度(越生)、最低10度を下回る寒暖の差が参加者を苦しめた今大会、100マイル個人の完走者は33名(完走率15.4%)でした。
厳しいコンディションと逆周コースとなり登りがキツくなった今回、優勝した赤松亮さんは、終始先頭を走り大会新となる27:21:51でゴール。3度目の挑戦で初完走、総合優勝でした。
これにより赤松さんは、当法人のメイン2大会、小江戸大江戸230k(2018小江戸大江戸230k 23:17:54)と彩の国100マイルの記録ホルダーとなりました。
恐ろしいことに、大会2週間前には2019UTMFを総合19位(24:36:46)で快走。疲労が抜けきっていない(?)中でのチャレンジだったそうです。
強さの秘訣について聞いてみました。
Q. 走歴について教えてください
2012年9月頃に突然走り始めたので現在7年目です。登山から入り、初めて出場したレースは山のレースです。
Q. ロードも走られますね。フルマラソンベストは?
それ聞いちゃいますか(笑)
フルは、2015年にサブスリー(確か2:57くらい)して以来走ってないです^^;
Q. この大会を走るきっかけは?
確か第一回大会が完走者ゼロということに衝撃を受けて、この大会を知ったのが最初だったと思います。
おそらく他のサイラーを目指す方と同様、「我こそは!」というのがこの大会を走るきっかけです。
Q. 3度目ですね。これまでの道のりを簡単に
はい、3度目です(笑)
1回目は、2017年の第2回大会。もの凄い暑さにやられてSouth1の関門に間に合わず途中棄権しました。
2回目は、翌年の第3回大会。序盤から攻めてたんですけどNorthから大きめのロストを3回もしてしまい、South1では後半大失速。South2(最終周)に行く勇気も元気もなく自らリストバンドを返却しました。
今思えば長時間山を走りきるだけの身体も足もできてませんでした。
Q. 今大会に向けてのトレーニング、準備について
過去2回までの準備と大きく異なるのは、大きく分けて2点あります。一つは山ジョグ。もう一つは身体を作り直したことですかね。
山ジョグはゆっくりでもいいので、山を休まず走り続けられるよう繰り返し同じコース(32km↑2500m)を走ったことです。区間タイムを記録することでサボらないようにしました。
身体を作り直すと言うのはちょっと大げさですね(笑)
アスリートでもなんでもないのでこんなこと語るのは恐縮ですが、2ヶ月くらいかけて体重と体脂肪を落としました。
また、レース前一週間は走るより食生活の方が大事なように思います。詳細は個人的に聞いてください(笑)
Q. 少し前に100マイル大会完走されてますね。疲労は?
今年は彩の国の予行演習として2週間前のUTMFに出場。
ところが、思いの外頑張ってしまったので、もちろん疲労は抜けてなかったと思います。でもUTMFでの反省や失敗が生きたことは間違いないです。
ちなみに、毎年GWに長崎橘湾の超ウルトラを走ってからの彩の国なので疲労は慣れっこです(笑)
(ちなみに、橘湾岸スーパーマラニック春の217km部門の記録ホルダーも赤松さん21:56:11)
Q. GW連戦には慣れていたのですね。疲労回復にはどのような事をされていますか?
今回で言うと、UTMF後4日完全休足→ロングジョグ2,3本くらい→4日完全休足→彩の国みたいな感じです。
とりあえずサボってました。あとは直前にカーボローディングするために食事には気をつかってました。
Q. (彩の国)どのようなレースプランでしたか?
走れるだけ走ってその先の世界を見てみたい。それがレースプランです。それができれば順位やタイムはついてくると思ってました。
Q. 前の夜、朝食は何を?
前夜は、ホテルでスーパーの安売りシャケ弁当、そば大盛りを食べました。
(ちなみに、前日昼は、やよい軒で引くぐらいご飯お代わりしまくりました)
当日朝は、バナナ、フランスパン、ランチパック、カステラ、味噌汁、フルーツジュース、カフェインレスコーヒーです。
Q. ノースコースどうでしたか?
まだ序盤ということもありますが、全体的に走りやすいトレイルという印象でした。気持ちいいシングルトラックが多くついついスピードが出てしまいます。
また、前回ノースでロストを3回もしていたのでだいぶ不安でしたが、今年は案内板がめちゃめちゃあったのでノンストレスで走れました。
Q. サウスコースどうでしたか?
思った以上に走れなかったです(^^;;
吾那神社までの長いアップダウンで疲労マックスになったところから竹寺、高山不動尊と続く急登はマジでキツかったです。「これもう一回走るんか」と思うと辞めたくなりました(笑)でも、高山不動尊以降サンピアまでは一気に難易度が下がったように思います。
Q. サウス2コースどうでしたか?
3度目にして初めてのサウス2。吾那神社までは1周目とタイムが変わらないよう余計なことを考えずとにかく頑張りました。が、そのせいで天覚山から竹寺までの特別コースは地獄と化しました。急降下、急登が続き、誰がこんなコース考えてん!と悪態つきながら進みました。しかもちょうど未明から明け方にかけての時間帯だったので余計に辛かったです。竹寺以降は高山不動尊まで頑張ればあとは楽!と言い聞かせながら走り、最後はタイムを気にして走りきった感じです。
Q. うまくいったこと、うまくいかなかったこと
うまくいったことは…うーん、なんでしょう。ノースで塩や梅干しを食べまくったことですかね。
うまくいかなかったことは山ほどあるのでここでは語り切れません。すんません。
Q. 一番辛かったのは?
前述したサウス2の天覚山から竹寺の区間ですね。試走してないのもあって果てしなく続くんちゃうかとしか思えませんでした。あとは、熊?に2度吠えられたことでしょうか…
Q. 一番楽しかったのは?
24時間以上走ってるのに最後まで山を走り続けられたことと、「なんの為にこんなことしてんねん!」と独り山の中で盛大なツッコミを入れた瞬間です。
Q. 補給について
ジェルはカフェイン系のみ、あとはパンや羊羹などの固形物を準備しました。
サウスに入ってからは暑さで胃がやられ補給が難しくなったので、甘い飲み物でカロリー補給。水分取りすぎて超気持ち悪くなりました。
夜になってからは、「こんなコースはエネルギーとらな走られん!!」と、エイドで頂ける固形物を無理矢理胃に詰め込み続けました。
Q. 眠気対策
カフェイン断ちは特にしてません。対策をしたところで、眠気は失速した時と20時間経過前後に襲ってくるのは経験上知っているので、とにかく身体の変化に耳を傾け、抵抗しすぎず不調をあえて受け入れた感じです。
Q. メンタルについて
この大会は頭を使い過ぎるとダメかもです。とにかく時間を計算しない。サウス1でどれだけタイムが悪くても、サウス2はそれより早く走るんや!!とアフォになって謎のモチベーションを上げるのが効果的かもです。
Q. 完走の秘訣は
運。申し訳ないですがこの一言に尽きます。
Q. レースプランで先の世界をと仰っていましたが何か先が見えましたか?
すんません。恥ずかしいので自分の中で留めときます。
Q. 体へのダメージ(マメ、スレ、胃腸トラブルなど)ありましたか?
足裏はノース終了時点で皮が数カ所ベロンとなってたのでテーピング等で応急処置。サウス2に入る前に靴下をぶ厚目のものに履き替えました。終盤は足裏の痛みとの戦いでした(とくに下り)。
スレはワセリンを何回かヌリヌリすることで事なきをえました。
胃腸トラブルに関しては、暑さから水を飲みすぎてサウス1終盤まであまり食べれませんでした。代わりに甘い飲み物をちびちびのんでエネルギー摂取をしていました。夜になり涼しくなると少しずつ回復。サウス2へ行く前にサンピアでカレーを頂くと美味すぎてそこからかなり復活しました。最終周では無理矢理胃の中に色んなものを流し込みました。最後まで走れたのはこのおかげだと思います。
脳みそへのダメージはすごく、またしてもアフォ度があがってしまいました(笑)
Q. 次のレース
おんたけ100マイルです
Q. 今回の装備一式教えてください
シャツ→ノースリーブシャツ(デサント)
パンツ→ストライダープロ(patagonia)
アンダーパンツ→スーパーメリノLW(mont-bell)
ソックス→ペーパーファイバー5(C3fit)
グローブ→ステンレスメッシュ5(mont-bell)
シューズ→s-lab sense6 SG(salomon)
時計→MZ-500(Epson)
ザック→ベイパーカー4.0L(Nathan)
メインライト→SEO7R(ledlenser)
サブライト→SPOT(BlackDiamond)
Q. また参加したいですか?
ゴニョゴニョ
Q. 来年の参加者に一言
過去2回DNFした野郎から言わしてもらうと、この大会はDNFすることも一つの答えだと思います。完走することではなく「挑戦すること」に意義がある貴重な大会だと思います。
Q. 最後に自由に感想を
スタッフやエイド、ボラ、応援の方々、そして共に走るランナーの声援にめちゃめちゃ救われました。本当にひゃっほいひゃっほいです!!(←ありがとうございますと申しております)
(終)
赤松亮さんは自身のHPで参加大会のログを残しています
家庭教師ランナーRYOがAKと走るまでの記録
twitter:ひゃっほい太郎