第12回小江戸大江戸230k優勝 小林 優史さんインタビュー

年々高速化している小江戸大江戸、今年の230kクラス(234km)あと少しで23時間切りの23:02で優勝された小林 優史(コバヤシマサシ)さんへのインタビューです。
光の速さで駆け抜けたかと思いきや、波乱万丈のレース展開をどうぞ。



小林 優史さん(所属:アシックスRC)
230k(234.1km)カテゴリ優勝
記録:23時間02分48秒(大会記録更新)
平均:5分44秒/km

Q. 大会記録更新されましたね。意識されていましたか?

いえ、全く(笑)あとから知りました。
大会記録なんて人生初です。とても嬉しいです~(^^)

Q. 小江戸大江戸は初めてですか?

いいえ、昨年も230kの部に出場し、残念ながら200kでリタイアしました。
リタイアした理由はいろいろあったのですが、それが悔しくて悔しくて…それで今年もエントリーしました。

Q. 小江戸大江戸を走るきっかけ

なにか新しいことに挑戦したくて、いろいろ調べていたらたどり着きました。
こんな素敵な大会そして人々に出会うことができ、本当に感謝です。

Q. トレイル、ロードどちらがすきですか?

70km以上のトレイルを走ったことはありませんが、両方大好きです。
どちらも人と人との距離が近く、走力や年齢に関係なく、互いをリスペクトする自然な雰囲気があって、自分にとってはそれがいつも新鮮で魅力的に感じます。

Q. 走歴について教えてください

23年。小さい頃から走ることが好きです。

Q. フルマラソンのベスト。いつですか?

2:24:05 昔のつくばマラソン。

Q. ここ半年の月間走行距離

500kmくらい。ここ半年は足に痛みがあり、それほど走れていません。

Q. 今大会に向けてのトレーニング、なにか準備されましたか?

試走を小江戸1回、大江戸の一部を1回しましたが、それ以外は普段と変わらない練習です。
直前までインターバル、ペース走、ジョグを気ままにやっていました。生粋のインターバルラバーです(笑)

Q. どのようなレースプランでしたか?

今回はテーマを持って臨みました。題して「とにかく突っ込む」(笑)。
速いペースでつっこんで、あとは流れでどうなるのかチャレンジしてみようと考えていました。
結果は序盤4’20″/kmで走れていたので、目標達成です!!(^^)
90km前後で地獄を見ましたが(笑)

Q. 前夜と朝は何を食べましたか?

前夜:松屋の牛丼並盛と豚丼並盛。「お箸ひとつで大丈夫です」と言ったら店員さんに変な顔されました。
朝:米と納豆と味噌汁。バイキングだったのでとても残念でした。

Q. 小江戸どうでしたか?

突っ込んで入っていたので、ハラハラドキドキでした。「そんなペースで大丈夫かオレ~?」という気持ちです(笑)
唐子までは良い感じで走れていましたが、案の定そこから一気にツラくなり…まさに地獄でした。
力が入らないし、お腹はすくし、かといって気持ち悪くて何も食べられない…。
蓮馨寺でやめよっかな…と一瞬思いましたが、友達に完走したいと話していたことと、途中棄権してトボトボ帰る自分の姿を想像して、這ってでも完走はするぞと意気込み走り続けました。

Q. 小江戸暑かったですね。暑さには強いほうですか?

ちょっと暑いかも?という感じでした。それよりも今年の冬は本当に厳しかったので、暖かくていい日だなぁ~と走っていました。
暑さには弱いと思います。

Q. 大江戸どうでしたか?

川越街道序盤はとにかく気持ちが悪く、ここが一番絶望してたと思います。こんなんで完走できるわけないだろ~と(笑)。
それでもとにかく我慢して走っていたら、100km地点を超えたくらいでなぜか急にスッキリ復活。
ペースも上がり、以降キツいと思う瞬間はいくつもありましたが、やめたいなどの葛藤はなく、勢いで走れちゃいました。
突っ込んで入っても我慢してたら復活するのですね。勉強になりました。
そして、小江戸大江戸通じて一番力になったのは、スタッフの方や応援に来てくれた友人との会話や、LINEでのやり取りです。
いつかスタッフもやってみたいなぁ、と思いながら走っていました。

Q. 復活のきっかけ何かありましたか?もう少し詳しく教えてください

80kmくらいでキツくなり、復活したのは100km前後でしたが、効果があったかもしれないのは、川越でのゼリー補給(ウイダーインゼリー×3くらい)と、ペースダウン(信号待ち含め)だと思います。
思い当たるのはそれくらいでして、ベタですが、やはり一番大事だったのは、諦めなかったことかと。
復活を信じていたわけではなく、むしろ復活することはないと思い込んだ上で「それでもここでやめたら友達に合わせる顔がない」「制限時間いっぱいになったとしても走りきる」と考えていました。

Q. 眠気対策なにかされましたか?

何もしていません。眠くならないです。
終わったあとは、お風呂で着替えながら寝てましたが(笑)

Q. 補給は何を?

序盤はエイドのものを少し食べられましたが、それ以降は吐き気がひどく、ゼリーをかろうじて…。でもそれにだいぶ助けられました。
ドリンクも中盤以降は水しか飲めませんでした。

Q. 辛かったこと

80~100km。フラフラでした。今から思えば熱中症だったのかもしれないですね。
あとは強いてあげるなら最初の秋ヶ瀬でしょうか。
なぜかすごい「たどり着いた感」があって嬉しかったのですが、冷静に考えたら『あと15k』じゃなくて『あと45k』あると気づいて、いや全然たどり着いてねーわと(笑)
なんなんでしょう、あの秋ヶ瀬の「残りちょっとだよ~」という素敵な雰囲気は(230k出た方は分かってくれるはず…)。
もちろん、2回目の秋ヶ瀬では最高にテンション上がりました。

Q. 楽しかったこと

友人の応援と、エイドでのスタッフの方々との交流。
この大会ほど、人のありがたみを感じる大会はありません。
ありがとうございました。

Q. 体へのダメージありましたか?

もともと足首をケガしていて、それはかなり悪化しました。でもレース中はそれほど気になりませんでした。
それよりも内臓系ですね。とにかくずっと気持ち悪く、レース後も含め食べることができませんでした。

Q. うまくいったこと、うまくいかなかったこと

うまくいったことは、目論見通り突っ込んで走れたこと。
うまくいかなかったことは、突っ込んで走った反動が予想以上に大きかったこと(笑)

Q. 次のレース予定

3/末に5000mのトラックレース、4月は長野マラソンです。
フルマラソンは実に2年ぶりで、本当に楽しみ。泣けてきます…!

Q. 今回の装備一式教えてください

必携品以外では、インナー、ジャケット、ロングタイツ、あとゼリーと羊羹(羊羹は一つも食べられず)。
シューズはNOOSA TRI 13です。数あるアシックスのラインナップで最もウルトラ向けのシューズだと感じます。
あと今回は初めてハーフタイツ(METARACER TIGHT)を着用しましたが、これも最高でした。

Q. また参加したいですか?

はい!もちろん。
近いうちにボランティアスタッフもやってみたいです。

Q. 頑張った自分へ一言

23時間切っとけよもったいないなぁ~。

Q. 完走ご褒美ありますか?

ございません。このご時世でレースに出場できるということこそが喜びであり、ありがたいことであり、普段の自分にとってのご褒美です。

Q. 最後に自由に感想を

この大会の魅力は、スタッフと参加者の方々が作り出す、ゆるくて近くてあたたか~い雰囲気と、壮絶で過酷なコース・距離のギャップだと感じています。
こういう世界を最近まで知らなかった自分にとっては、それがとても新鮮で居心地が良くて、まさにランニングの新しい(もしかすると昔からある?)可能性だな~と感じます。
私自身はまだそれを楽しんだり感謝したりすることしかできませんが、いつかはみなさんと一緒になって、もっと盛り上げたりもっと楽しいことを作り上げたりしたいと強く思います。
また来年もよろしくおねがいしま~す。

吉見(21.2km)まで avr4’27″/km
唐子(72km)まで avr4’47″/km
何ということでしょうw

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