260Kコースレコードとなる28時間台で見事優勝!高橋輝さんに聞きました

(Photo by Takumi Ishiyama)

260Kカテゴリーでコースレコードとなる28時間台で見事優勝された高橋輝さん。
普段の練習、大会に向けてのトレーニング、260Kを目指す方に向けてのアドバイスなどお話しを伺いました。
高橋輝さんの記録 / 260K / 28時間55分27秒

Q. 2021年に小江戸大江戸200Kを28:32:42で完走されたのが初出場かと思いますが、当大会に参加されたきっかけがあれば教えてください。

以前から興味はあったものの、例年フルのシーズンと重なるので躊躇していましたが、コロナ禍でフルが軒並み中止になったので思い切って。

Q. 走歴について教えてください

2011年からダイエットのために。当時は今より10kg以上太っていました。

Q. フルマラソンのベストタイムを教えてください。

2時間40分45秒(勝田全国マラソン2025)

Q. ここ半年の月間走行距離を教えてください。

10~11月は故障もあって410~450km、12~2月は620~640km。

Q. 今大会にエントリーされた際の所属名が「二子玉川走友会 」となっていますが、グループで練習されているのでしょうか?
チーム構成や練習内容、どんな雰囲気のチームかを教えてください。

「親睦・健康・チャレンジ」をモットーとするサークルで、20代~80代までのメンバーがそれぞれの目的、走力に合わせて活動しています。
定期練習会(週末):多摩川河川敷10~15kmのペース走。
ロング走(月末):20~30kmのゆるジョグ、観光ランが多め。

Q. 今大会に向けてのトレーニング、なにか準備されましたか?

ここ半年の間に、80~100km(休憩少なめ。5:30/km~6:00/km)を4回行いました。

Q. 最大心拍数や大会中の平均心拍数はどのくらいでしたか?

最大心拍数:187
大会中の最大:177
大会中の平均:144
(COROS PACE 3での計測なのでどこまで正確かは不明です。)

Q. 使用しているGPSデバイスがあれば教えてください。

COROS PACE 3
バッテリーの持ちとコスパが良いので。

Q. 普段はどのような練習をしてますか?

週中:6~16kmのペース走(3:40/km~4:00/km)
週末:ロングジョグ(3時間前後)、ロング走(4:00/km~4:30/km)
※距離やペースは直近の目標レースによって変えます。
上記以外の日は30~90分のジョグ。

Q. 過去にはトレイルランの大会にも出場されていますが、山で練習されることもありますか?

最近は山は全くないです。ロードの峠に行くことはあります。

Q. ランナー仲間の皆さんから「名人」と呼ばれていますがあだ名の由来を教えてください。

ハドソンに所属していたファミコン名人の高橋名人から。(ただ名字が同じだというだけです…。20年くらい前によく通っていた新宿ゴールデン街のバーのマスターが付けてくれました笑。)

Q. 普段の食事で意識していることありますか?

ついお酒を飲み過ぎてしまうので、なるべく週2、3日は飲まない日を作るようにしています。

Q.日常で心掛けているケアはありますか?

走った後のセルフマッサージ、ストレッチ

Q. 2024年260kにチャレンジされていて31:42:32で完走、2025年は208km地点まで行かれてDNF、今年は優勝されて28:55:27と、初めて260Kに参加された時から3時間近く時間を縮められてコースレコードでの完走でしたが、大躍進の秘訣がありましたら教えてください。

課題:180kmくらいからの失速を解消したい。
改善:練習距離を「50〜60km」から「80〜100km」へ延長。
狙い:疲労がピークに達した状態でも、フォームを崩さずペースを維持する感覚を体に覚えこませる。
という感じです。「改善」はレースの終盤に近い状態を作ることが目的なので、セット練等の他の方法でも良いと思います。

Q. 29時間切りは意識されていましたか?

意識したのは秋ヶ瀬(245km)くらいからです。それまでは無理して急にペースを上げることはせず、今までと同じ努力感で走るように心がけていました。

Q. 260Kのカテゴリーをどのように感じられますか。

面白いと思います。コースを逆走するという方式も。
ここ数年は200kmもスピードレース(?)になってきている印象ですが、260kmは最後の折り返しで順位の入れ替わりも多く、残り60kmを走り切れる余力を残して200kmをそこそこ速く通過する必要があるという意味でも、挑戦しがいのあるカテゴリーだなと感じました。

Q. もし290Kのカテゴリーがあったら出場されたいですか?

いやです笑。でも初めに260kmのカテゴリーができた時もそう思ったはずが、いつの間にかはまっているのでもしかしたら…

Q. 今回はどんなレースプランでしたか?

走行ペースは小江戸キロ5分半、大江戸キロ6程度になるかなと想定していましたが、実際のペースよりも最後まで走り切れる感覚を重視していました。

Q. 事前に設定した予想ペースと実際に走ったペースにズレはありましたか?

舟渡(233km)まではほぼ想定通りでした。それ以降はキロ6分半前後まで落ちることもありましたが、まあ今の実力通りなのかなと。

Q. 前夜と朝は何を食べましたか?

前夜:パスタ2人前くらい
朝:おにぎり2個

Q. 小江戸どうでしたか?

例年に比べて風も強くなく走りやすかったです。後半に備えて、ペースやフォーム等の走り方が雑にならないようにだけ気を付けていました。

Q. 大江戸どうでしたか?

成願寺の時点で思ったより全体の順位が上のほうだったのでびっくりしましたが、体感の疲労度は2年前と同じくらいだったのでそのままの感じで走り続けました。
馬喰町以降、200kmや230kmの選手と一緒になることもあり、楽しく走ることができたと思います。

Q. 舟渡までの折返しつらくなかったですか?

260kmの全行程の中で一番楽しかったです。
(Photo by shouta ooki)

Q. 眠気対策はなにかされていますか?

1週間前からカフェインを抜き、眠くなったり集中力が切れてきたらCatalyst zone(Holos)を摂取。
今回は大江戸と折り返しで1つずつ使用しました。

Q. レース中の飲食とその量を教えてください。

小江戸:カロリーメイト(チーズ味)×2、ソイジョイ×1
大江戸:inゼリー×2、わらびシリーズ(セブンプレミアム)×4
ドリンク:エイドの麦茶+パラチノース、answer600
上記以外は各エイドごとのメインを一通り。

Q. レース中に自販機/コンビニ利用しましたか?

自販機もコンビニも利用していません。

Q. 楽しかったことありましたか?

川越(2回目)→舟渡区間での川越に向かう選手、ラン仲間とのエール交換

Q. 辛いと思った瞬間はありましたか?

しんどいと思ったことはありましたが、辛いとは思わなかったです。

Q. 体へのダメージ(マメ、スレ、攣り、炎症、胃腸トラブルなど)ありましたか?

レース中は軽いスレと腹痛程度。レース直後は吐き気が強くて1時間ほど横になっていました。

Q. うまくいったこと、うまくいかなかったことがあれば教えてください。

うまくいったことは、折り返しの舟渡までは大きな落ち込みなく走り切れたこと。
うまくいかなかったことはほぼありません。
自分には出来過ぎな結果だった気もしています。

Q. メンタルは強いと思いますか?普段心がけていることがあれば教えてください。

特別強いとは思いません。
ただ、しんどいと感じた時にそれを「苦しい」という感情では捉えず、「今はエネルギーが切れている状態だ」と客観的なデータとして捉え、その時々の状況に合わせて「今できる最善は何か」に集中することを心がけています。

Q. 今回の装備一式教えてください。

エボライドスピード3(アシックス)、ラミー靴下(インナーファクト)
6-Pockets running tights(インナーファクト)、変態パンツ(インナーファクト)
リストゲイター(インナーファクト)、シームレスアームカバー(R×L)
パワーメッシュ(ファイントラック)、二子玉川走友会ノースリーブシャツ、EXライトウインドジャケット(モンベル)
ADV SKIN 12(サロモン)、ソフトフラスコ(インナーファクト)、レースナンバーベルト(インナーファクト)、IKO CORE(ペツル)

Q. 直近の目標レースはありますか?

弘前24時間走選手権

Q. 今後の大きな目標やチャレンジしてみたい大会、夢などがあれば教えてください。

24時間走260km。
伸びしろを全部伸ばす(あるとして)、ピーキング、天候等の条件がすべてはまっても出せるかどうかという記録だと思いますが、実績のある仲間ができると言ってくれているので、大きな目標として頭の片隅に置いておきます。

Q. ランニング以外で、楽しんでいるアクティビティがあれば教えてください。

特にありません。

Q. 来年参加する方々へのアドバイスがあればお願いします。

・目標は細かく決めておく
 例えば川越ー成願寺は約37kmありますが、コンビニ、交差点名、ドンキ等、3~4kmごとの目的地を決めておいてそれを1つずつクリアしていくほうが精神的に楽でした。
・信号は赤になりそうなら手前から歩く
 その場で立っているだけでも疲労が溜まっていくので、後半に備えて小江戸からなるべく止まっている時間を減らしました。

Q. 最後に、この大会全体を通じたご感想を自由にお聞かせください。

スタッフの温かい「ゆるさ」とレースの「厳しさ」を併せ持っている点が、この大会の大きな魅力だと思います。
ロード派もトレイル派も集まる独特の雰囲気で、ラン仲間の輪も広がりました。最初はフルマラソンの代わりでしたが、気づけばこちらが3月のメインに。
今年もありがとうございました!
高橋さんのご友人が撮影されたゴール写真。もう一回秋ヶ瀬おかわりができそうな爽やかな笑顔!
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